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経営革新物語

農業生産法人株式会社マルシェ沖縄

農業生産法人株式会社マルシェ沖縄は、平成19年4月に(株)ナンポー通商の社内ベンチャーとして立ち上げた会社です。

当時の社名は「農業生産法人(株)ナンポーファーム」。紅芋の生産と加工(主にペースト製造)を行い、(株)ナンポー通商が買い取るシステムでした。その間、本土へ農業視察等を行い、その際、野菜の生産が当たり前のようにバイオ苗により生産されている現場を目の当たりにし、「このままじゃ沖縄県は遅れを取るばかりで、農家の安定収入に結び付かないし、良い製品は良い原料から生まれる」という認識から、紅芋の品質向上にも力を注ぎ、平成23年度に国の「農商工連携事業」認定を受け、バイオ苗の生産体制を確立し、直営農場と連携農家(約20戸)は優良苗による反収高UPに取り組み、紅芋の収穫高は県平均10aあたり1.5tですが、   現在、当社では、1.8~2t(20~30%UP)の反収となりました。

事業が軌道に乗り始めたころ、より多様な展開を図る目的で独自経営を検討し、平成25年6月、(株)ナンポー通商の協力をいただきながら「農業生産法人(株)マルシェ沖縄」として新しくスタートを切りました。
これまで通り事業の主力は、紅芋ペーストの製造です。紅芋を生産・調達して、紅芋ペーストを製造し菓子の原料として菓子卸会社や菓子メーカーへ出荷しています。
当社の特徴は、バイオ苗を使った良質な紅芋を原料としている点であり、ペーストは、4種類の紅芋を使って製造します。優れた味を持つ品種、紅芋らしい色が特徴の品種、両方を上手に混ぜ合わせるのがポイントです。甘味料などは使用しません。原材料だけで濃厚な紅芋ペーストをつくります。当社のペーストを利用する皆さまからは「芋の味がしっかりと出たペースト」と高い評価をいただいています。
ペーストを使って2次加工品も製造しており、「うむくじてんぷら」は紅芋の揚げ物として好評です。

経営計画革新にあたって

今までは、菓子製造メーカーからの受注による原料の納品という、「相手頼み」の弱い立場でした。
このままでは、何時まで経っても、売上高UP、収益率UPが図れず不安定経営となってしまうため、自社で新商品の提案や製造・販売まで手掛けなければならないと痛感し、商工会へ相談に行き、話し合いの中で、強みを活かした自社生産できる商品開発をし収益率向上を図ろうという事になりました。自社生産には、製造ラインの設備投資が不可欠となりますので、設備導入にあたり、補助金が受けられる「6次産業総合化計画」の作成を商工会と一緒に取り組み国より認定を受けました。
その後、(財)食品流通構造改善機構の補助金候補者に採択され、引き続き、沖縄県の経営革新計画の承認をいただきました。

今後の取り組み

当社としては原料の紅芋をコンスタントに調達したいのですが、収穫量は時期によって波があります。この課題を解決するため、6次産業化計画で、新たに貯蔵設備を設置する予定で、これによって収穫の多い時期に集中的に集荷を行うことが可能になり、安定供給に繫げられます。又、生産農家にとっては、自己のペースで最大限に生産、出荷できる環境が整うことになるわけで、「農家の収入安定」へも貢献でき、農家とWinWin関係の構築を図ることで、農家の経営安定化に寄与し、地域活性化につなげていきたいと考えています。
更には、揚げ物や粉物の加工施設を設け、「紅芋チップス」、「紅芋のフライドポテト」、「大学芋」など最終製品となる商品を製造し、付加価値を高める取り組みを進めることで収益率UPを図り、同時に加工施設には直売店を併設し、自社商品の販売も行う計画です。

6次産業が推奨される中、西原町を基盤とするマルシェ沖縄様の事業が先進的なモデルになるように、積極的に支援していきたいと思います。


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